よもぎの布染め
皆様、おはようございます。
先日Instagramにてよもぎの布染めについて投稿したところ、どのように染めるのか気になる方が沢山いらしたようですので、今回『自己流&ざっくりよもぎの布染め』方法をお伝えすることにいたしました。
※あくまで私たちの染め方はとっても簡易的で感覚的なところも多いので、「とりあえずは染まる」という認識でご覧ください。
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<染めの仕組み>
植物を煮出した染液に布を浸せば、その色素は繊維に乗ります。
ですがこれだけでは色は繊維の上に乗っているだけで定着しておらず、色が薄かったり、洗濯ですぐに色落ちしてしまいます。植物の色素を濃く・鮮やかに発色させ、さらに色落ちしにくくするためには、「媒染」という化学反応が必要になります。
「媒染」とは、鉄・アルミニウム・銅などの金属のイオン(磁石のようなもの)を利用し、布の繊維と植物の色素を強く結びつかせる作業のことです。
植物の色素を抽出した染液に布をしみ込ませ、媒染液で布と色素を結合させる。
ざっくりいうとこのような説明になります。
(媒染液も様々。媒染なしの染め方もあったりします。是非ご自身でも調べてください)
不思議な現象ですね。
大袈裟かもしれませんが、染めとは木(草木)・火(熱を加える)・土(草木を育てる)・金(金属イオン)・水(染液、すすぎなど)の五行(5大エネルギー)を用いて行う錬金術的なものなのです。
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<必要なもの>
・よもぎ(地上部全草)できるだけ沢山
・染める布(綿や麻、絹などの天然繊維のもの)
・鍋(ステンレス製orほうろうが望ましい)
・大きなボウル(ステンレス製orほうろうが望ましい)
・水(水道水)
・媒染剤(銅)
・洗濯ネット
・ゴム手袋
・メガネ
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<染めの前の準備>
よもぎを摘む
当たり前ですが、よもぎが無ければ染められません。
私たちの住む山里でなく都会でも案外見つけることができます。
葉の形、葉の裏の白さ、香りをたよりに探してみてください。
量に関してはできるだけ沢山摘みましょう。
生のままでも染められますが、私たちはいつでも染められるよう、一度洗って乾燥させることで保存できる状態にしています。
媒染液
今回はお手軽に使用できる銅媒染を使用します。
市販のもの(写真下)でもよいですが、水:酢:10円玉を1:1:1で保存瓶に入れ放置することでつくることもできます。液が青みを帯びれば使用可能です。(市販のものより薄い青緑になります)
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<工程>
1:鍋に水を張り、洗濯ネットによもぎを入れ(色素抽出後、取り出しが楽になります)、鍋に投入し火にかける
沸騰したらぐつぐつ煮込む程度に火を弱め、よもぎの色素が抽出するまで引き続き火にかける(30〜40分ほど)
2:染める布を湯(お風呂ぐらいの温度)で洗って余分な皮脂や汚れを落とす
湯が透明になるぐらいまで洗う
3:大きなボウルに水を張り、媒染液(銅)を入れる
入れる量はいつも大体ですが、上写真のたらいの水に対してペットボトルキャップ1杯分ほどです。(水の色がうっすら銅媒染の青に見えるくらいの量です。)
4:1の染液ができたら洗濯ネットを引きあげ、2で洗った布の水分をしぼって布を広げながら染液に投入する
(しぼった塊のまま投入するとムラに染まるので注意)
この時火加減は引き続きぐつぐつ煮込む程度に
5:ときどきかき混ぜ10分ほど染める
その後布を引きあげ、水分を絞り、布を広げながら3の媒染液に入れる
布が媒染液に浸るようにし、ときどきかき混ぜながら10分ほど放置する
(発色していきます)
※手袋はしましょうね
6:5から布を引きあげ、水分を絞り、再度染液に投入する。
7:染液→媒染液→染液→媒染液→染液→媒染液
合計3回この工程を繰り返す
途中、あまり発色しないなと感じたら再度媒染剤キャップ1杯分を媒染液に追加する
8:最後は水道水で布を洗う
洗う水が透明になるまでしっかり洗う
9:日陰で乾燥させて完成
という工程で布を染めています。
もっと丁寧に染める場合は染液→媒染液の間、媒染液→染液の間に水洗いを挟みます。
こうすることで褪色(たいしょく:色がうすくなる)や変色がさらに起こりにくくなります。
さらに濃く染めたい場合は染液→媒染液の工程を繰り返すか、一度乾燥させてから再度新しい染液で工程を繰り返していくことで濃度が上がります。
下処理方法や媒染液の種類にも様々あり、こだわりだすととキリのない世界でもあります。今回の染色方法はとっても大雑把ですが、気構えず気楽に行える方法と言えるでしょう。
一度染色がうまくいくと、あれもこれもと試したくなってきます。
今回はよもぎを使った染めの方法をお伝えしましたが、手軽なものでいうと緑茶や紅茶などでも染めることができます。草木もどんどん芽吹き出すこれからの季節。是非みなさんもチャレンジしてみてください。
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